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* AutoCAD においては、Visual LISP | * AutoCAD においては、Visual LISP の総合開発環境(IDE)が提供されている。(R2000以降、2023以降は [https://code.visualstudio.com/|Visual Stusio Code] が標準。) | ||
* BricsCAD においては、LISP の総合開発環境(IDE)が提供されている。(V18.2 以降)* Visual LISP のIDEより良いが、日本語対応がいまいちできてない部分がある。 | |||
* AutiveX オブジェクトやリアクターイベントへアクセスできる。 | * AutiveX オブジェクトやリアクターイベントへアクセスできる。 | ||
* ソースコードのコンパイル対応。高速化&高度な暗号化(.fas、.vlx ファイルの生成) | * ソースコードのコンパイル対応。高速化&高度な暗号化(.fas、.vlx ファイルの生成)* BricsCADでは .des | ||
* | * OS のファイルやレジストリ操作系の関数追加。 | ||
* LISP関数の拡張(CommonLisp的関数などが追加されている。) | * LISP関数の拡張(CommonLisp的関数などが追加されている。) | ||
* でも &rest も &optional もないけど。 | * でも &rest も &optional もないけど。 | ||
* 互換CADでも結構使えるようになってきてる。>> [[AutoLISP#AutoLISP が使えるCADソフト]] | * 互換CADでも結構使えるようになってきてる。>> [[AutoLISP#AutoLISP が使えるCADソフト]] | ||
コンパイルの種類は以下のとおり。 | コンパイルの種類は以下のとおり。 | ||
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* 互換CADで .fas、.vlx のコンパイルはできるものはない。(2025年3月時点)ので、互換CADに移植する際は元のソースコードが必要。 | |||
* BricsCAD は [[BricsCADのLISP#LISP プログラムをBricsCAD 用に秘匿化|.des ファイルにコンパイルできる。]](コードの効率化も行える。) | |||
* IJCAD は2013以降 .lsp ファイルでAES暗号化したものにコンパイルできる。(コードの効率化はされない。ベースになっている GstarCAD の機能。) | |||
* AutoCAD 2000 より標準搭載された、Visual LISP はサードパーティである Basis Software によって開発・販売されていた Vital-LISP を買収して組み入れたもの。(標準搭載される前に AutoCAD R14 時にアドオンとして販売されていたらしい。) | |||
* [[BricsCADのLISP]]は、OpenLISP をベースに実装されており、AutoCAD の LISP より高性能。VisualLISP と非互換な部分は報告すると割と早めに対応してくれてる。 | |||
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* Visual LISP の拡張関数:(ActiveX) | * Visual LISP の拡張関数:(ActiveX) | ||
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** [[ActiveX プロパティ処理関数|プロパティ処理関数]] | ** [[ActiveX プロパティ処理関数|プロパティ処理関数]] | ||
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2025年4月24日 (木) 09:06時点における最新版
Visual LISPは、AutoCAD(と一部の互換CAD)で使用可能なプログラミング言語。
素のAutoLISP(バニラLISPともいわれたりする)に比べ以下の点が強化されている。
- AutoCAD においては、Visual LISP の総合開発環境(IDE)が提供されている。(R2000以降、2023以降は Stusio Code が標準。)
- BricsCAD においては、LISP の総合開発環境(IDE)が提供されている。(V18.2 以降)* Visual LISP のIDEより良いが、日本語対応がいまいちできてない部分がある。
- AutiveX オブジェクトやリアクターイベントへアクセスできる。
- ソースコードのコンパイル対応。高速化&高度な暗号化(.fas、.vlx ファイルの生成)* BricsCADでは .des
- OS のファイルやレジストリ操作系の関数追加。
- LISP関数の拡張(CommonLisp的関数などが追加されている。)
- でも &rest も &optional もないけど。
- 互換CADでも結構使えるようになってきてる。>> AutoLISP#AutoLISP が使えるCADソフト
コンパイルの種類は以下のとおり。
- .fas … LISPコードのコンパイル
- .vlx … LISPやDCLなどファイルセットのコンパイル。
Visual LISP の関数は、接頭辞として "vl" が付けられている。
分類すると概ね以下のようになる。
- 接頭辞 … 内容
- vl- … 拡張されたLISP関数
- vla- … ActiveX からのトランスポート関数
- vlax- … ActiveX 関連の関数
- vlr- … リアクタ関連の関数
memo
- ActiveX 関連の関数は、Windows環境のみでサポートされているため、AutoCAD for Mac では使えない(2021時点)
- ただし、BricsCAD では、マルチOS対応用に VLE-関数や FastCOM 、統合LISPオプティマイザが整備されていて使えるようになっていきている。
- 互換CADで .fas、.vlx のコンパイルはできるものはない。(2025年3月時点)ので、互換CADに移植する際は元のソースコードが必要。
- BricsCAD は .des ファイルにコンパイルできる。(コードの効率化も行える。)
- IJCAD は2013以降 .lsp ファイルでAES暗号化したものにコンパイルできる。(コードの効率化はされない。ベースになっている GstarCAD の機能。)
- AutoCAD 2000 より標準搭載された、Visual LISP はサードパーティである Basis Software によって開発・販売されていた Vital-LISP を買収して組み入れたもの。(標準搭載される前に AutoCAD R14 時にアドオンとして販売されていたらしい。)
- BricsCADのLISPは、OpenLISP をベースに実装されており、AutoCAD の LISP より高性能。VisualLISP と非互換な部分は報告すると割と早めに対応してくれてる。
関連事項
- BricsCADのLISP
- vla-関数
- リアクタ関数
- AutoLISPでのデータタイプの変換
- Visual LISP の拡張関数:(ActiveX)